
痛みが長く続くと、本当に良くなるのだろうかと不安になる方は多いです。
病院で検査を受けても大きな異常はない。
薬や湿布を使っても変わらない。
マッサージを受けてもすぐに戻ってしまう。
いろいろ試したけれど改善しない。
このような経験が続くと、もう自分の痛みは治らないのではないかと感じてしまうことがあります。
しかし、慢性的な痛みの改善には、治療内容だけでなく、治療を受ける前の気持ちも関係することがあります。
今回は、治療前に「きっと良くなるかもしれない」と思えることが、なぜ慢性痛の改善に大切なのかを分かりやすくお伝えします。
・病院や整骨院に通っても変わらず不安になっている方
・マッサージや骨盤矯正で治らなかった方
「良くなるかも」という気持ちは回復のスタートになる
慢性的な痛みでは、体の状態だけでなく、痛みに対する考え方や不安が回復に影響することがあります。
慢性痛に悩む患者さんを対象にした研究では、5週間のリハビリプログラムを受ける前、治療直後、そして1年後の変化が調べられました。
その中で注目されたのが、治療前に患者さんが「自分は良くなると思えるか」という回復への信念を持っていたかどうかです。
結果として、治療前に「良くなるかもしれない」という前向きな気持ちを持っていた人ほど、1年後にも痛みの軽減を感じやすかったと報告されています。
これは、とても大切なポイントです。
もちろん、前向きに考えれば何でも治るという意味ではありません。
気合いや根性で痛みを消すという話でもありません。
痛みがある方に対して、もっと前向きになりましょうと押しつけることは、かえって負担になることもあります。
大切なのは、良くなる可能性を感じられるかどうかです。
人は、良くなる可能性を感じられると、回復につながる行動を取りやすくなります。
説明を聞いてみようと思える。
少し動いてみようと思える。
セルフケアを続けてみようと思える。
痛みがあっても、できることを探そうと思える。
通院や運動を前向きに続けやすくなる。
反対に、どうせ治らないと思っていると、治療を受けていても不安や警戒が強くなりやすくなります。
また悪化するのではないか。
動いたら痛くなるのではないか。
何をしても無駄ではないか。
自分の体はもう悪いままではないか。
このような不安が強いと、体は守ろうとして緊張しやすくなります。
筋肉が硬くなり、呼吸が浅くなり、脳や神経も痛みに敏感になりやすくなります。
その結果、痛みを感じやすい状態が続くことがあります。
つまり、「きっと良くなるかもしれない」という気持ちは、ただの気休めではありません。
回復へ向かう行動を作り、体の緊張をやわらげるための大切な土台になります。
慢性痛は脳と神経の警戒モードが関係する
慢性的な痛みは、痛い場所だけで起きているとは限りません。
痛みは、体からの情報を脳が受け取り、危険だと判断したときに感じます。
ケガをした直後の痛みは、体を守るために必要なサインです。
しかし、慢性痛では、ケガが治ったあとも痛みが続いたり、検査で大きな異常がないのに痛みを強く感じたりすることがあります。
これは、脳や神経が痛みに敏感になっている状態と考えると分かりやすいです。
不安が強い。
睡眠不足が続いている。
ストレスが多い。
痛みを怖がって動かない。
過去に強い痛みを経験している。
何をしても良くならなかった経験がある。
このようなことが重なると、脳や神経は警戒モードになりやすくなります。
警戒モードになると、体は小さな刺激にも敏感に反応します。
普段なら気にならない動きでも痛く感じる。
少し歩いただけで不安になる。
前かがみをする前から体に力が入る。
痛みが出るかもしれないと考えるだけで怖くなる。
このような状態が続くことがあります。
ここで大切なのが、安心感です。
今の痛みはなぜ続いているのか。
どこまで動いて大丈夫なのか。
何を怖がりすぎなくてよいのか。
どうすれば少しずつ改善を目指せるのか。
こうした説明を受けて納得できると、不安は少しずつ減りやすくなります。
不安が減ると、脳や神経の警戒モードも落ち着きやすくなります。
その結果、体を動かしやすくなり、回復につながる行動を取りやすくなります。
慢性痛の治療では、施術だけでなく、説明や安心感も大切です。
患者さんが「自分の体はまだ変われるかもしれない」と思えること。
それが、治療の効果を支える大きな力になります。
前向きな気持ちは小さな成功体験で育つ
「きっと良くなる」と思える気持ちは、患者さん一人で無理に作るものではありません。
長く痛みが続いている方ほど、前向きになれないのは自然なことです。
今まで何をしても変わらなかった。
痛みで仕事や家事がつらい。
趣味や外出をあきらめている。
家族に迷惑をかけている気がする。
また痛くなるのが怖い。
このような状態で、前向きになりましょうと言われても、簡単ではありません。
だからこそ、治療者の関わり方が大切です。
まず大切なのは、患者さんの不安やつらさをしっかり聞くことです。
痛みの場所だけではなく、何に困っているのか、何が怖いのか、どんな生活を取り戻したいのかを確認することが大切です。
次に、分かりやすく説明することです。
難しい専門用語ではなく、患者さんが理解できる言葉で、今の痛みの仕組みを伝える必要があります。
痛みは気のせいではないこと。
でも、体が壊れているから必ず痛むわけでもないこと。
脳や神経が敏感になると、痛みが長引くことがあること。
少しずつ動ける経験を増やすことが大切なこと。
こうした説明があると、患者さんは安心しやすくなります。
さらに、小さな変化を一緒に確認することも大切です。
痛みが少し減った。
動ける範囲が広がった。
朝の動き出しが楽になった。
歩く距離が少し伸びた。
不安が少し減った。
姿勢や動きが少し変わった。
こうした小さな変化を積み重ねることで、患者さんは「自分の体は変われるかもしれない」と感じやすくなります。
ここから整骨院グループでは、慢性的な痛みに対して、痛い場所だけを見るのではなく、患者さんの不安、生活習慣、体の使い方、脳と神経の働きまで含めて考えます。
マッサージで治らなかった方。
骨盤矯正で治らなかった方。
病院で異常なしと言われたのに痛みが続く方。
長引く痛みで良くなる自信をなくしている方。
そうした方ほど、まずは痛みの仕組みを理解し、少しずつ希望を取り戻すことが大切です。
施術で体の緊張を整える。
脳や神経の過敏さにアプローチする。
体幹トレーニングで動ける体を作る。
日常生活でできるセルフケアを伝える。
小さな変化を一緒に確認する。
このように、施術と説明、安心感を組み合わせることで、回復への気持ちを育てていきます。
前向きな気持ちは、無理やり作るものではありません。
納得できる説明。
安心できる施術。
小さな成功体験。
信頼できるサポート。
こうしたものが積み重なって、「きっと良くなるかもしれない」という気持ちが育っていきます。
・痛みは体だけでなく、脳や神経、不安、ストレス、睡眠、生活習慣にも影響される
・前向きな気持ちは押しつけるものではなく、分かりやすい説明、安心感、小さな成功体験によって育てることが大切
長引く痛みがあると、もう良くならないのではと感じることがあります。
それは自然なことです。
しかし、慢性痛では、痛みへの不安やあきらめが強くなるほど、脳や神経が警戒モードになり、痛みを感じやすくなることがあります。
だからこそ、治療前に「きっと良くなるかもしれない」と思えることは、とても大切です。
それは精神論ではありません。
回復へ向かう行動を作り、体の緊張を減らし、治療の効果を支える大切な土台です。
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